008 萩のししくん 〜くまの散歩道(つづき)



萩の陶芸家にとってししくんは必ず作っておきたいアイテムであることには間違いなさそうなのだが、実際に作るとなると結構手間がかかるものなのである。 しかも焼成途中割れたりでひびが入ったりする率も非常に多く、歩留まりが悪い。 なので陶芸家として名前が売れて茶器や花器に値が付くようになると、ししくんを作ることをやめてしまう先生方も多いと聞く。

ということは、ひとりの作家が心血を注いだししくんというのは数えるぐらいしか無いのかもしれない。 その反対にししくん専門に作陶されている作家さんもいるみたいだけど、くま的には自らの作風の型にはまらないことを祈る次第だ。

このししくんは素晴らしく大きい(しかも子持ち) なんでも陶器店の開業祝いに送られたものだとか でもまだ素焼きの状態なので、上薬をかけてもう一度焼いて完成…?
これも大きい、しかも個性的でいい表情をしている フォルムの崩しかたもなかなかのもの 焼成の段階で入ったと思われるヒビも老獪なししくんの景色となって吉
こちらもいい表情、なぜか別の花瓶につかまり立ちのめずらしい姿勢をしている  …ひょっとして珠乗り獅子かも
なんかイラストチックな仕上がりですな ちょっと気が弱そう?
脚にかなり力が入ってる でも憎めない表情
ゴジラの背中のテクスチャを連想しますなぁ
かなり珍しい「飛獅子」 どちらかといえば極道系の絵姿
コワさ満点の大作 躍動感あり
小久保凌雲作 くま的には最優秀ししくんの一つに挙げたい逸品 独創性、デフォルメのバランス、躍動感、どれをとってもゾクゾクもんですな
左とは別のもう一体 劇画タッチなタテガミは粘土を盛った上からけがきによる表現 特に後ろ足はタマリマセンわー
独創的な作品を作り続ける山本寛風氏の手になるもの 独特のユーモラスな表情と躍動感が見る者を挑発する
こちらも寛風作 デフォルメと省略の極みとも言える逸品 氏の土をつかむ手は天才的ですらある 茶目っ気たっぷりな表情と迷いのない造作は、ししくんというテーマを存分に遊んでいる


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