2WAY リニアフェイズスピーカシステム Fシリーズ

テクニクスブランドの第一号製品は1965年のTechnics1という小型スピーカだった。
'71年にはSB-30というミニスピーカがヨーロッパで認められ、ミニスピーカブームを巻き起こす。 ミニスピーカというカテゴリーを作り育ててきたTechnicsがコンサイスコンポとともに発表したのがFシリーズである。

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Technics F-SERIES カタログより

Fシリーズの特徴はリニアフェイズ設計の定位の良さだ。 リニアフェイズとは「平坦な位相」という意味で、ユニットそれぞれの音の発信源と聴取者との距離を揃えるように配置する設計のこと。 加えて本体が小さいために「点音源」に近い状態になることも定位の良さを助けている
。 それまでのミニスピーカの多くが、小径ユニットの欠点を補うために高域と低域を強調した「ドンシャリ」傾向で、音が混濁しがちであったためFシリーズの自然な空気感がひときわ輝いて見えた。

最初のFシリーズはサイズ別に3種類あった。サイズの基準は書籍やLPレコードなどと整合しており、F1が210mm(A5の長辺)、F2が256mm(B5の長辺)、そしてF3が320mm(レコードジャケット)である。


Fシリーズのデザイン

筐体は精度・防振性・気密性に優れた2ピースのアルミダイカスト。 ビス1本(F2/F3は2本)で組み立てが完了する優れた生産性も併せ持つが、莫大な初期投資が必要なため当時ここまで思い切った筐体は存在しなかった。

 新しい製法には新しい造形の必然性がついてまわる。 Fシリーズのデザイナーは最もシンプルで明快な造形を選択した。

〜それは取り去るデザインである。

従来のスタイルから、カバー(ネット)を取り除き、権威の象徴である?スピーカグリルを省略し、代わりに微妙な段差と光沢処理を施す。 そしてリニアフェイズ設計で後退させたツイータの段差の処理。 最もシンプルな解法、円錐形に削り込んだ部分が全体の印象を決定している。

 このようにして最後に残ったカタチは …「箱に丸2つ」 

これ以上取り去るものが無くなるところで行うデザインはこの上なく微であり妙である。 わずかな線を選びに選ぶ造形は俳句に似ている。

以前、これをデザインされた方が「このカタチにはエロチシズムの記号が…」と述べておられた。 おわかりだろうか? 説明するまでも無かろう。

内部構造
SB-F2のケースを開け吸音材を取り除いたところ。 ほとんどの構造物はダイカスト部品に一体成型されているので量産性も抜群であったことが伺える。

SB-F1:Woofer10cm EAS-10PL117S, Tweeter(Horn)EAS-6HH02S, imp6Ω, 入力30W(peak) /50W(music), 音圧レベル86dB, クロスオーバー4kHz, 寸法119(W)x210(H)x126(D)重量2.3kg, 価格\18,500(1本)
SB-F2:Woofer12cm EAS-12PL143S, Tweeter(Horn EAS-7HH02S, imp6Ω, 入力35W(peak)/60W(music),音圧レベル88dB,クロスオーバー3.5kHz,寸法138(W)x254(H)x157(D)重量3.3kg,価格\22,500(1本)
SB-F3:Woofer16cm,Tweeter(Horn),imp6Ω,入力40W(peak)/70W (music), 音圧レベル89dB, クロスオーバー3kHz, 寸法179(W) x321(H) x191(D)重量5.0kg, 価格\27,500(1本)


改良(?)したいポイント

ターミナル(端子)
アンプ側も含めて当時のテクニクスのスピーカー端子は本当によろしくない。音質面よりも使い勝手と安全性の問題だ。(左がオリジナル:ネジに巻き付けて締める方式で止めにくい。外れてショートする危険性も) とりあえず端子は交換しておきたい。金メッキである必要は無いと思うが、バナナプラグ対応のものが使いやすい。 オリジナルの台座がそのまま流用できる。

スパイク(?)
これは雰囲気だけのナンチャッテもの 。正体は自動車用の装飾品である鋲(粘着テープ付き)。 音離れが良くなるよ…

設置に関して

ブックシェルフタイプというだけあって本棚に埋め込んだり机上でブックエンドとして使ったりしがちだが、どうも音切れが悪くなる気がする。

 今のところ両方のスピーカを充分離し三脚などのスタンドに固定して(全機種底面に三脚用のネジ穴がある!)肩の位置まで持ち上げてやるのが最もよい結果を得ている。 不思議とこの方が低音までも伸びているように感じる。

 おそらく反射音や副次振動が無くなって、定位が良くなるのではないかと推測している。


なんじゃこりゃ? Fシリーズのミニチュア? SB-F01

いやいや、確かにミニチュアだ。 しかもサイズは高さ・奥行きともにカセットテープのケースにピッタリ合わせてあり、底面には三脚用の穴まであるという凝り様。 さすがに1WAYなのでリニアフェイズというわけにはいかないが、鳴らしてみると不思議と定位がしっかりしている。(外形から現代のSONYの銘機SRS-Z1(PC)を連想させる)

これインピーダンスがめちゃくちゃ高いけど、実際の耐入力が低すぎて生活レベルの音を出すことは出来ない。 昔の住宅で音を気にしながら起きている学生のような人が対象なのかも知れない。
↓カタログの抜粋を参考にされたし



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